料理漫画を研究してます

料理漫画研究家としてのあれこれをここに書いていこうかと思います。 お仕事のご依頼はkei.sugimuraあっとgmail.comまで!

女子のための食欲をそそる「グルメマンガ」ベスト5! という記事をダ・ヴィンチ電子ナビ様に寄稿しました

ちょっと更新が滞っておりましたが、料理漫画研究家活動はしております。このブログも徐々に再開させていきます。ほんとすみません。書いていない本が積み上がって70冊ぐらいある気がする……頑張って今年は毎日のように更新したいです。もう1月も半分を過ぎようとしていますが。去年のまとめもまたやります。

それはさておき、昨年の話なのですがダ・ヴィンチ電子ナビ様に寄稿いたしました。

■空腹時、閲読注意! 女子のための食欲をそそる「グルメマンガ」ベスト5
http://ddnavi.com/book-best5/166771/

Yahoo!版はこちらです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131015-00003002-davinci-ent

今回はこの5作品とか他の作品について、ちょっと解説を入れていきたいと思います。


1位:おしゃべりは、朝ごはんのあとで。

ひきこもりの漫画家が自腹で朝ご飯を食べに行く漫画です。これが、漫画家さんが登場するエッセイ系漫画の中では突出して面白いんですよ!
まず、行っているところがおかしい。第一回目がいきなりパリ。二回目が京都。最終的にはハワイにも行きます。
また、キャラクターの個性も面白いというか。作者自身が表紙の絵のイケメンが持っているスプーンにのっている謎の生物(?)として描かれているですが、絶妙のおとぼけ感がいいんです。「らでゅれ……あとで検索しよう」とか言って結局検索しないままパリのラデュレ本店に入ったり、食べた料理の描写も「お米の味がする!」とか「外国の味がする!」とかわかったようなわからないような。でも、このリズム感がなんとも心地よく、また面白いのです。

そして担当編集のドメさんとのかけあいがまた面白いのです。ボケとツッコミがきっちりとしているのですね。

ちなみに表紙のイケメンはでてきません。あくまでスプーンの上にいる謎の生き物(?)が主役ですのでお間違いなきよう。

元々は「恋の前にはクロワッサン。愛の後には目玉焼き」というタイトルだったんですが、単行本になったときに「おしゃべりは、朝ごはんのあとで。」と改題されました。これ、今年に第二弾、第三弾とやってくれないかなあ。

http://yawaspi.com/koinomaeni/

おしゃべりは、朝ごはんのあとで。 (ビッグコミックス)

おしゃべりは、朝ごはんのあとで。 (ビッグコミックス)


2位:おとりよせ王子飯田好実

もう僕が好きすぎる作品のひとつなんで、あちこちに書いていますがここにも登場しています。「女子のための食欲をそそる」というテーマであえて男主人公作品を持ってきましたが、おとりよせといい、オレオリといい、僕の周りでは女子も食欲をかなりそそられているのでその辺はクリアしていると思うのです。

毎週水曜日のノー残業デーに、全国各地から美味しいものをおとりよせをするのが好きな飯田好実くん。ただおとりよせしたものを食べるだけじゃなく、色々とアレンジをしたりして(俺のオリジナル=オレオリ)実に楽しそうに食べるのです。Twitterとの連携も見事で、作中にもTwitterが出てきます。あ、Twitter上では女性と間違えられたりもしていますね。やっぱりテーマは間違えていなかった!

昨年放送されたドラマの再現度もたかくて素晴らしかった!
1月20日に4巻がでますね。こちらも楽しみです。

エキレビに書いたのはこの辺です。
日本一のたまごかけご飯!『おとりよせ王子 飯田好実』で美味しい食べ物をお取り寄せまくれ!(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
【速報!「おとりよせ王子 飯田好実の絶賛極うまぼっち飯」に行ってきた】(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース


3位:ワカコ酒

2013年に発売された作品の中で、一番好きな作品と言っても過言ではありません。もうね、この作品を読むとお酒が飲みたくてたまらなくなるんですよ!
じゃあなんで3位にしたのかというと、それはやっぱり食べたくなるのがお酒だから。お酒を飲めない人がある程度以上の数がいますし、そもそも未成年はお酒を飲んじゃダメです。そう考えると「女子のための食欲をそそる」1位にするのはちょっと違うかな、と思ってこの順位になりました。
酒飲みの舌を持つワカコさんが一人で居酒屋に行ってお酒を飲んで「ぷしゅーーーーー」とする。これがまあ実にいいんです。とにかくお酒も料理も楽しんでいる姿がいいんですね。

あまりの人気のためか、2014年に発売となっていた2巻が昨年末に発売されました。素晴らしい! もちろん2巻も面白かったです。

エキレビで書いた記事はこちらです。
女子だって「孤独のグルメ」するんです。『ワカコ酒』で一人酒(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース(1/2)

ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス)

ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス)

ワカコ酒 2 (ゼノンコミックス)

ワカコ酒 2 (ゼノンコミックス)


4位:くーねるまるた

4位はポルトガルからの留学生まるたさんの節約ライフ(?)を描いたくーねるまるたです。バカリャウ(干し鱈)が出てきていたりして、ポルトガルの料理が中心なのかと思いきや、わりと何でもやってしまいます。
これがまた、いいんですよ。本当にとりあえず何でもやってみたり、美味しそうなものがあってもお金が足りなかったら手元のものとかで創意工夫したりしているのです。そしてできあがったときに美味しそうに食べること! 食欲がわいてきますし、真似をしたくなります。

こういう、ほかの国から日本に来て食文化の違いを……という作品では、奥さま Guten Tag!という作品もあるのですが、まるたさんの日本文化に対する思いとかも含めてくーねるまるたを選びました。
となりのヤングジャンプ : 奥さま Guten Tag!


くーねるまるた 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

くーねるまるた 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)


5位:にがくてあまい

最後にどうするかすごく悩みました。今まで挙げたものは、1位にエッセイ物でお店に行くタイプ、2位におとりよせ&自炊、3位がお酒、4位がポルトガル料理というか海外の料理&自炊。そう考えると、ただ自分で調理をする系のものだとジャンルが少しかぶってしまいますし、お店に行くタイプのものも同様です。

そうやって考えて、なるべく他のとジャンルが重ならなく、調理がしたくなったりするのは……と思って思いついたのが「にがくてあまい」だったのです。「きのう何食べた?」も考えたのですが、ベジタリアンという要素を考えるといいかな、と。あと「きのう何食べた?」と違って主人公の片方が女性だということもポイントになったのでした。

ベジタリアンのイケメン高校教師(ただしゲイ)と、肉が好きで野菜嫌いなOLのラブコメディという作品ですが、出てくる料理が全部野菜中心なのです。これが、美味しそうなんですよ。そういうところでは日日べんとうも同じ精進料理系中心ではありますが、料理が出てくる頻度はこちらの方が上かなということで、5位に選んだというわけでした。

にがくてあまい(1) (エデンコミックス)

にがくてあまい(1) (エデンコミックス)


番外編:三月のライオン

こっそり原稿の隅に書いておいた番外編もダ・ヴィンチ版では掲載されております。三月のライオンは料理漫画かというとすごく難しい。でも、読むと出てきた料理を食べたくなる力は天下一品なのですよ!
僕は将棋も大好きなので将棋パートも好きなんですが、料理パートも大好きだったりします。メンチ丼、美味しかったです。

番外編:俺物語

もうひとつおまけに。俺物語はヒロインの大和凜子が初期に造っていたスイーツも何気にポイントだと思うのです。あれ、美味しそうですよね。2巻にはレシピが載っていたりということを考えると、やっぱり反響があったんじゃないかと思うのです。でも料理漫画かなあ……ということを悩んでいたので、番外編にちょこっと書いていたのでした。

俺物語!! 4 (マーガレットコミックス)

俺物語!! 4 (マーガレットコミックス)