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料理漫画を研究してます

料理漫画研究家としてのあれこれをここに書いていこうかと思います。 お仕事のご依頼はkei.sugimuraあっとgmail.comまで!

2015年5月発売の料理漫画25冊(解説入り)

一ヶ月の料理漫画

解説があった方がいいと言われたので、今月から少しずつ各作品がどういうところがオススメなのかのコメントもがんばります。

で、新シリーズの1巻とか、1巻だけのものとか。今でもまとめ買いやすい8巻ぐらいまでのもの(マンガ大賞をちょっと意識してます)と、それ以上続いているの定番のもの、アンソロジー、レシピみたいな感じで少しカテゴリー分けしてみました。このカテゴリー分けも気まぐれなんでいじるかもしれません。

■今月の新シリーズ(シリーズの1巻とか)

●ゆかいなお役所ごはん
くらふとさんの、ゆかい食堂セレクションと2冊同時発売のうちの1冊。ji-sedaiでの連載を1冊にまとめたものです。お役所の食堂に実際に行って、あれこれ食べてしまおうというもの。これを読むとお役所の食堂は普通の人も利用できて、なおかつお安くておいしそう(あと健康にも気を使っている)というのがわかります。圧巻だったのは農林水産省の回でした。ちなみにこれを読んで宇治市役所の食堂に実際に行ってみたり。

ゆかいなお役所ごはん (星海社COMICS)

ゆかいなお役所ごはん (星海社COMICS)


●ゆかい食堂セレクション お肉編
くらふとさんの、ゆかいなお役所ごはんと2冊同時発売のうちの1冊。こちらはブログ等に掲載したものをまとめたものになります。この漫画のすごいのは、やっぱり料理の描写と、それがおいしいという表現でしょうか。余計なことは言わずに、ひたすらがっつく、というスタイルは料理漫画のおいしさの表現の中では意外とありそうでないんですよね。それが、おいしさを端的に表しているのがすごいのです。ああ、この辺はもっと詳しく記事にまとめようと思って1ヶ月経ってしまった……とりあえずオススメなので読むしか!


ゆかい食堂セレクション お肉編 (星海社COMICS)

ゆかい食堂セレクション お肉編 (星海社COMICS)


●そうだ、食べ放題いこう
作家さんと編集さんとで、実際に食べ放題のお店に行って食べまくるという、コミックエッセイです。こういうコンセプトの本は多いのですが、これは食べまくる2人のキャラクターが実にいいんですよ。編集のK成さんはお肉大好きすぎる女性、作家の西さんは甘味大好きすぎる女性というコンビで、それぞれの食べものに対するスタンスの違いが出ててとても面白い。デザートバイキングにきてすぐに限界がきて、今までは無双していたのにうめくように塩味スコーンを求める編集さんの回とか最高です。
現在続編連載中のようで、2ndシーズンも単行本出るのが楽しみですね!!

そうだ、食べ放題いこう。 (フィールコミックスFCswing)

そうだ、食べ放題いこう。 (フィールコミックスFCswing)


●マルさんのスナック
おもちゃメーカーに勤めるマルさんと、その妹の高校生の2人暮らしの日常のお話です。スナックは、お店のスナックじゃなくて、スナック菓子というか。マルさん、妹さんが作ってくれるお弁当やご飯じゃ足らないので、夜中に一人で夜食を作ってもりもり食べるんです。かなりハイカロリーなやつを。もう夜食なんだかおやつなんだか。だから「マルさんのスナック」というわけですね。
レシピも載っているし、なおかつ実用的な豆知識的なネタもあります。ミートソースはうどんにかけてチーズを載せて焼けばうどんグラタンに早変わり。というのはちょっとやってみたい。

マルさんのスナック (アフタヌーンKC)

マルさんのスナック (アフタヌーンKC)


●まほうつかいのパン 1巻
好きになった上司のためにリストラされることを選んでも結局振り向いてもらえなかった主人公の田中実が偶然手に取った試食のカツサンド。それがとってもおいしかったのと、お仕事がなかったので、いろいろあってそのパン屋さん&パン教室でバイトをすることに。でもそのパン教室も訳ありで……という感じで、パン教室とそこにくる人達とのお話が展開していっています。
イケメン先生とその先生を狙う上間さん(男性)、BL本を描くのが趣味のあまり役にたたないびん子の3人と主人公のかけあいもテンポよくていいですね。1巻には別の読み切りが載っていて、2巻が6月発売の2ヶ月連続刊行のようです。

まほうつかいのパン 1 (オフィスユーコミックス)

まほうつかいのパン 1 (オフィスユーコミックス)


●怪盗ルヴァン 1巻 2巻
伝説的名作ワイン漫画「神の雫」が、「次は最終章である神の雫編だ!」で終わった後、同じコンビで始まったワイン漫画。え? 神の雫は!? と思ったのですが、最終的には神の雫世界とつながってホッとしました。今はモーニングで神の雫最終章始まっていますしね!
それはさておき。この漫画は、不正な手段でコレクターなどから入手した貴重なワインを持つ悪人のもとから、ワインを盗みだして依頼人に還元する(そして自分達もちょっぴりご相伴にあずかる)というワイン義賊のお話です。盗む手口ではちょっと漫画的な手法はありますが、3Dプリンタを使ったりしているのはいいなあと。
しかし、これで神の雫を巡る戦いは雫、遠峰、クリストファー・ワトキンス、(ローラン?)、ルヴァンチームの争いになるのかな。

怪盗ルヴァン(1) (モーニング KC)

怪盗ルヴァン(1) (モーニング KC)

怪盗ルヴァン(2) (モーニング KC)

怪盗ルヴァン(2) (モーニング KC)

怪盗ルヴァン(1)

怪盗ルヴァン(1)

怪盗ルヴァン(2)

怪盗ルヴァン(2)


●ゆかりちゃん
母親を亡くした女子高生のゆかりちゃんと、お父さんの二人暮らし。ある日ゆかりちゃんは自分と同じ名前の「ゆかり」をスーパーで発見する。実は、家にはゆかりにまつわる秘密が……
と、ちょっともったいぶって書くとこんな感じですが、なんでもゆかりをかけて解決しようという料理漫画です。第一話のゆかりごはんのレシピが「1:ごはんをお茶碗に盛る 2:ゆかりを適量ふりかける」というのは、今までの料理漫画史上もっともシンプルなレシピなのかもしれません。レシピって言えるのかなこれ……
ちなみに毎回「『ゆかり』は三島食品株式会社の登録商標です」と載っていたりします。

ゆかりちゃん (ジャンプコミックス)

ゆかりちゃん (ジャンプコミックス)



●あやかし和菓子屋本舗 1巻
じいちゃんから和菓子屋を受け継いだ若竹忠国。実は受け継いだのはそれだけではなく、見鬼の才も受け継いでいたのだった。というわけで、じいちゃんゆかりの妖怪達が次々と来店して難題をふっかけてくるのを、忠国とネコのキューちゃん(人型になって和菓子作りのアドバイスしてくれます)が解決していくというお話です。
ちょっと面白いのは、妖怪から御礼でもらうアイテムが、次の難題の解決方法につながっていたりすること。どんどん妖怪も増えていっていいですね。あ、そうそう。おじいちゃんは別に亡くなったりしたわけではなく、世界一周がしたいからという理由で現役を退いてお店をおしつけていったのでした。

あやかし和菓子屋本舗 1 (B's-LOG COMICS)

あやかし和菓子屋本舗 1 (B's-LOG COMICS)


●とりあえず、畑で暮らしてみる
料理漫画かというとちょっと微妙なラインなのですが、畑漫画ということで。これは半分ノンフィクションというか、作者が引っ越し咲きが決まるまでの1年間に、友人が自作した畑の小屋で暮らした経験を元に描いた作品になります。電気も水道もない通っていないところ(でもコンビニや銭湯や公園のトイレは近くにある)でどうやって暮らしていくのかという、ヒントにもなる作品です。いや、これが本当に面白い。
雨水を溜めたり、太陽光発電の電力を蓄電してみたり、バイオトイレを活用してみたり。意外とあれこれできるんだなあという学びがあります。ちなみに電気は最低限の電灯とPCとスマホの充電ぐらいとのこと。そういう生活をしたいというわけじゃないんですが(本が読めないとつらいので)、興味深いのも確かですね。
あ、でも、虫が苦手な人は読まない方がいいかも……


●きつねとパンケーキ 1巻
これは料理漫画ととらえるか非常に難しいのですが、話の根本的なテーマに「パンケーキ」があるので入れてみました。
獣娘(けものこ)という、動物の化身というか、擬人化というか、人間の姿になれる動物がいる世界のお話です。獣娘は独身の男性のもとに連れてこられ、以後は娘として育てる制度がある(政府も支援する)という独自な世界観なのですね。
というわけで、キツネのコンちゃん(紺乃)は一人前になるべく、人間のパパの元で友達のバルちゃん(オオカミ)、ユメちゃん(タヌキ)らと共に毎日がんばるのでした。
あれ、パンケーキ出てきていない……? い、1話には出てくるんですよ、パンケーキ!


●36寿司
少年アシベで有名な森下先生のギャグ漫画。お寿司屋さんが舞台なんだけれども、あまり本格的な料理描写は出てきません。というか、出てきません。親方のサブと、弟子のロクの会話で構成されている四コマ漫画です。料理はほとんどでてこなかった……

36寿司(1) (アクションコミックス)

36寿司(1) (アクションコミックス)


●彼の作る弁当は何かと問題が多い
星野直斗くんは同じ職場の加瀬雄一くんとおつきあいをしています。雄一くんは最近バイトから契約社員に昇格したこともあって忙しそう。なら、僕がお弁当を作ろう! と、直斗くんが雄一くんのためにお弁当を作ることにしました。でも残念ながら、直斗くんは料理ができない人なので、あれこれ残念な失敗をしてしまう……というお話ですね。
お弁当での失敗あるあるがあつまっていて、ああ、これあるよなあとか思ったりしました。あ、僕は男の子にお弁当を作ったことはありませんが。

彼の作る弁当は何かと問題が多い。 (リュエルコミックス)

彼の作る弁当は何かと問題が多い。 (リュエルコミックス)


●極上男子ごはん★まな板の上の…俺!?
BL漫画に関して語るの難しいですね。とりあえず、あれです。BL漫画です。もとはもっとエロいタイトルのWeb漫画だったのが単行本になった……ということでいいのかな。

極上男子ごはん★まな板の上の…俺!? (K-BO COMICS)

極上男子ごはん★まな板の上の…俺!? (K-BO COMICS)


■新刊が8巻以内の料理漫画

●あつあつふーふー 2巻
佐藤両々先生の広島を舞台にしたお好み焼き漫画。あれです。お店の元ネタの「キャベツ」に、僕、いっちゃいました。思わず。というぐらいには好きな漫画です。2巻の特装版カバーも書店さんにお願いして取り寄せてもらったりしちゃいましたし!
1巻では女子高生だった蘭ちゃんも、2巻でとうとう大学生になります。それに伴っていろいろな恋の話とかあれこれが進展する……ようには思えませんよね。あの親父さんがいると。
今巻でも、ソースの香りって凶器だよなぁ。が満載でした。


味いちもんめ にっぽん食紀行 4巻
日本全国を修行にまわるにっぽん食紀行編。北陸の次は、千葉でした。千葉って実は食材の宝庫で、数年前の新聞の元旦ジョーク記事で千葉が独立したユメを見た、というものがありましたが、独立しても割とやっていけるポテンシャルはあるわけです。もともと江戸川と利根川で本州と切り離されているように見えるっちゃ見えるわけですし。
というわけで、今巻でのメインは落花生でした。落花生おいしそうだ……
あと今巻の人間関係のテーマは、世間知らずで無神経な若者(もしくは人)とどう接するべきか、ということがあるかもしれません。深田さんも楽庵にまた戻ってきましたし。
次も楽しみですね!

味いちもんめ~にっぽん食紀行~ 4 (ビッグコミックス)

味いちもんめ~にっぽん食紀行~ 4 (ビッグコミックス)


●日日べんとう 5巻
荒井さんとお互いに惹かれあっているものの、いったん外の世界を知ってこようと思い立って出向した黄理子。出向先で一緒に働くことになった紫藤と思いがけず寺で一泊することに。それを荒井に知られ……? という前巻からの続きが気になる状態でしたが、思っていたよりも早い展開でした。プロポーズとは! でも、荒井さんの前妻とかも出てきたし、もう一波乱あるのかも? 続きを早く読みたいですね。
あ、料理ももちろん出てきてますよ。最近わっぱの語りが少ない気がするのは気のせいかな。気のせいかも。


●とんかつDJアゲ太郎 2巻
これは果たして料理漫画なのか。とも思ったのですが、メインのテーマに「とんかつ」があることにはまちがいないのでとりあえず入れちゃいました。やっぱり考えが変わるかも。でも、料理漫画であろうとなかろうと、この作品が面白すぎることと大傑作であることは少しも損なわれません。
とんかつ屋の息子の揚太郎がクラブに出前に行ったことがきっかけでDJの道にはまり、とんかつとDJの共通点を見いだして両方の修行を頑張るというお話です。
いやー、これが想像以上にジャンプの王道漫画でして。毎週更新される木曜日はとんかつが食べたくなりますね!

とんかつDJアゲ太郎 2 (ジャンプコミックス)

とんかつDJアゲ太郎 2 (ジャンプコミックス)

とんかつDJアゲ太郎 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

とんかつDJアゲ太郎 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)


●珈琲いかがでしょう 2巻
珈琲をテーマにした漫画。絵柄のほんわかした感じとは裏腹に、意外と暴力の香りが漂っていたりします。
基本は、移動珈琲屋「たこ珈琲」の店主である青山さんが訪れたお客さんの悩みを解消する手助けを、素敵な珈琲でそっと行うというお話だったのですが、実は青山が元やくざで。お世話になったお得意様をぶち殺して売り上げを奪って逃げたときのお金で開業資金にしたとか、そういう黒い過去が追っ手により明らかに。
うーん、ちょっと、黒すぎなんじゃないかなあと思うんですが、今後の展開に期待しましょう。

珈琲いかがでしょう 2 (マッグガーデンコミックス EDENシリーズ)

珈琲いかがでしょう 2 (マッグガーデンコミックス EDENシリーズ)

珈琲いかがでしょう 2 (EDEN)

珈琲いかがでしょう 2 (EDEN)


●至福の暴対レシピ 3巻(完)
うーーーん。鉄鍋のジャンの西条先生の料理漫画なのですが、これが難しい。元暴力団の凄腕の料理人スギオが主人公で、暴力とかに料理で対抗していくというお話です。鉄鍋のジャンファンにはおなじみの五行膳みたいな感じに人の感情を操ることもあれば、おいしさで圧倒することもある。で、まあ、ストーリー的にですね。ちょっと最後駆け足過ぎたというか。
今巻までのおおまかなあらすじを書きますと、警視庁のえらい人を敵に回してしまい、お世話になった人を殺されてしまったので、政治家である花岡忍のところに転がり込むスギオ。忍は父親である大物政治家花岡学と対立していた。学の牙城を切り崩すべく、学派にして食通の女優を食事に招待し、スギオの料理で忍陣営に引き込もうとするが……。という感じです。でもここからの展開が怒濤過ぎるというか。
まあ、あれです。はい。珈琲いかがでしょうでも思ったのですが、エログロバイオレンスはちょっと過剰になると料理とは相性がよくないということなのかもしれません。

至福の暴対レシピ(3)

至福の暴対レシピ(3)

■定番料理漫画(既刊9巻以上)

●そば屋 幻庵 12巻
時代劇蕎麦漫画も12巻になっていました。毎回のおもしろさです。時代劇の人情物らしい安定感といえばいいのでしょうか。
個人的には最近そばがきにはまっているというか、そばがきぜんざいにはまっていたので、最初のお話でそばがきが孫のお食い初めのときに出てきたのがちょっとうれしかったです。

そば屋幻庵 12 (SPコミックス)

そば屋幻庵 12 (SPコミックス)

そば屋幻庵 12巻

そば屋幻庵 12巻

■アンソロジー

●漫画家ごはん日誌
漫画家さん50人によるごはんエッセイが収録された豪華な本。なんですが、基本的にそれぞれの作家さんは1ページだけ描いています。作家紹介に1ページ、漫画が1ページ、それで50人で100ページ。なので、ちょっとボリューム的に物足りないという人もいるかもしれません。
許斐剛先生のインタビューと、羽海野チカ先生&鳥野しの先生の対談も面白かったです。女性読者向けと男性読者向けとでは料理の描き方が変わるとか。
「修羅場あけのときは、一口でもいいから水分をとらないと大変なことになる」という羽海野先生のアドバイスを参考にしようかと。いや、そんなに倒れるまでやらないですむようにしたいなあ……

漫画家ごはん日誌 (フィールコミックス)

漫画家ごはん日誌 (フィールコミックス)


以下のアンソロジーはちょっと買ったけどまだ全部読み終わっていないです。すみません。

■レシピ

海街diary すずちゃんの海街レシピ
海街diaryに出てきた料理のレシピ本。と思いきや、作中に出てきた鎌倉のお店紹介とかもあるので、普段料理をしない海街diaryファンでも大丈夫、かな? でもだんだん後半は単なる鎌倉観光本になっているような……
僕は持っていないのですが、海街diaryのもうひとつの副読本、鎌倉さんぽ編とどこまでかぶっているのか、ちょっと気になります。

海街diary すずちゃんの海街レシピ (フラワーコミックス)

海街diary すずちゃんの海街レシピ (フラワーコミックス)