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料理漫画を研究してます

料理漫画研究家としてのあれこれをここに書いていこうかと思います。 お仕事のご依頼はkei.sugimuraあっとgmail.comまで!

アキバBlogさんで「今読むべきグルメ・料理マンガ4選」を料理マンガ研究家・杉村啓が語る!という記事が公開されています

blog.livedoor.jp
料理マンガ研究家として、インタビューをされちゃいました。その模様がアキバBlogさんに掲載されております!!

インタビューをしてくださったのはかーずSPのかーずさんです。

最近の料理漫画について、あれこれ語っております。今のトレンドは「二人モノ」だと思うのですよ。
一番有名なのはインタビューでも出てきた、『きのう何食べた?』だと思います。他にも、『高杉さん家のおべんとう』や、『いぶり暮らし』などもそうなのですが、近しい関係だったりする二人が料理を作って食べていく。そういうジャンルがとても多いのですね。『パパと親父のうちごはん』とか。

そんな中でイチオシとしてあげさせてもらったのが、『新米姉妹のふたりごはん』です。
2巻が7月26日発売ですね!

自分もコラムという形で関わらせていただいているので、あまり褒めすぎるのも何なのですが、あれです。この作品は本当に細かいところに気をつけているというか、随所に料理をする人の発想が出てくるんですよ。

料理をする人の発想といえば、『きのう何食べた?』のよしながふみ先生が有名です。家で食べる料理を、手際よく作るその手順は、マンガにしてみるとびっくりするほどシンプルに見えます。でも実際にその通りに調理をすると、しっかり料理ができあがる。ポイントを押さえて、無駄を極限まで削ぎ落として表現しているからシンプルに見える素晴らしい作品です。

『新米姉妹のふたりごはん』は、さらにそこに料理の楽しさや面白さを積極的に伝えてくれるのです。しかも、手抜きがない。手抜きというのは、ちょっと変な表現ですが、料理をする上や食べる上で当たり前の部分を当たり前に省略しないで描いている、ということでしょうか。あやりが髪をくくるところもそうですし、食べているときも口の中にものが入っているときにはしゃべらなかったり、肘をついていたりしないとか、普通にお行儀良く食べているのです。なので、作っているシーンも、食べているシーンも、不快に思う要素がなく、楽しさがこれでもかと伝わってくるのですね。

楽しさはまた、調理器具にも現れています……ってこのままだとインタビューで話したことの拡大版になっちゃう。
とりあえずあれです。読みましょう! ちょうど2巻が出てきましたし! 僕のコラムも載っていますし!

最後に、インタビューで話したり、いまここで話した本のリンクをペタッと貼っておきますね。どれも面白いですよ!

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

高杉さん家のおべんとう 1

高杉さん家のおべんとう 1

いぶり暮らし 1 (ゼノンコミックス)

いぶり暮らし 1 (ゼノンコミックス)

パパと親父のウチご飯 1 (BUNCH COMICS)

パパと親父のウチご飯 1 (BUNCH COMICS)

HUNTER×HUNTERのNo.351から357までについての考察

ここは料理漫画のブログなんですが、某所向けに書いた原稿のプロトタイプが没になったので、料理漫画以外のことについての漫画記事を載せようかと思います。HUNTER×HUNTERですね。そもそも料理漫画について最近書いていないですし。すみません。

以下は原稿なので、いつものブログの口調とは違ったりもします。
でもって、ネタばらしがたくさんあります。先日発売された単行本33巻ではなく、将来発売されるであろう34巻に収録予定のお話について書いております。なので、単行本派の人は回れ右ということで。

あと、原稿時にはなかったのですが、引用としてコマをいくつか貼ってみました。
というわけで、以下の33巻のAmazonへのリンクを挟んで、原稿(のプロトタイプ)です。

HUNTER×HUNTER 33 (ジャンプコミックス)

HUNTER×HUNTER 33 (ジャンプコミックス)


週刊少年ジャンプ2016年20号(4月18日発売号)より連載を再開した冨樫義博作『HUNTER×HUNTER』。21・22合併号より続いていた話が、28号(6月13日発売号)で急展開を見せる。いったい何故このような展開になったのか、考察してみたい。

なお、本稿ではネタばらしをしているため、単行本派の人はここで読むのをやめるか、単行本34巻が出た際に改めて読んでみて欲しい。

○何が急展開へ至るポイントだったのか

28号(No.357『残念2』)ではヒソカがマチに「旅団全員に伝えてくれる……? 今からどこで誰と遭ってもその場で殺すまで闘るとね」と伝え、本当にコルトピとシャルナークを殺してしまう。それまではクロロにのみ固執していたヒソカが一体なぜこのような行為に及んだのだろうか。

もちろん、負けたことによる逆恨みというか、ストレス解消の可能性もなくはない。だが、28号の219ページで、マチから「これに懲りたら今度からは戦う相手と場所はちゃんと選ぶことだね」と言われた後、ヒソカが奇妙な表情をしていることに注目をしたい。ここでヒソカは、今回の戦いがクロロによって周到に用意された罠だったということに気づいたのではないだろうか。

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その罠とは、クロロとの1対1だったはずなのが、クロロと他の旅団員vsヒソカだったというものだ。

○読み返すといくつか不審な点がある

そういう視点で今までの戦いを読み返してみると、いくつか疑問点が出てくる。

まずは21・22合併号(No.351『死闘』)と23号(No.352『厄介』)。クロロがヒソカに対して、能力の説明をしているシーン。説明するのがスタイルという表現をしているが、どう考えても能力は説明をしない方が戦いを有利に運べるのには間違いがない。

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(能力の説明を闘い方(スタイル)と言い、勝敗より大事と言う)

そして24号(No.353『冷徹』)では、前回に"携帯する他人の運命(ブラックボイス)"で操られていた二人から、アンテナが消えている。このとき、ヒソカが「釣り糸でも結んでおいて引き寄せたか…」と言っている。

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26号(No.355『爆破』)で、今までの戦いからヒソカがクロロの能力の使い方を推測した後、この理屈ならばあと20〜30体くらいかと言っているにも関わらず、200人を超えるコピー人形が襲いかかってきている。

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同じく26号では、338ページでクロロが「そうだ。そこでいい。しゃがめ」と指令を携帯で出している。シャルナークの"携帯する他人の運命(ブラックボイス)"の携帯がその直前に描かれているが、そもそもブラックボイスはメールで操作をする能力だ。クロロ自身がNo.351『死闘』で審判を操っているとき、メールの操作をしている。声で命令を出しているのは不自然だ。

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○クロロは一人で戦っていなかったのでは

これらの疑問には、クロロは旅団員と戦っていた、と考えるとスッキリする。もちろん最初は"盗賊の極意(スキルハンター)"で盗んだシャルナークの"携帯する他人の運命(ブラックボイス)"と、コルトピの"神の左手悪魔の右手ギャラリーフェイク)"を使っていたが、途中で観客席に紛れ込んだ際に二人に能力を返還したのではないか。

クロロが電話で話して指示を与えていたのはシャルナークで、シャルナーク本人がアンテナを指した人を操っていた。もしくは、最初から能力はアンテナだけ(もしくは予備の携帯も)をクロロに渡していたのかもしれない。

200人を超えるコピーはクロロとヒソカが直接やりあっている最中も、コルトピがせっせと作っていた。

釣り糸で引き寄せたか……というのは、マチの念糸だろう。

そして、これら全てをミスリードさせるために、あえてスタイルと称して詳細な能力の説明をしたのではないだろうか。

そうなると、クロロ、マチ、シャルナーク、コルトピがそれぞれ独立して動くことができ、4人vsヒソカとなる。そのことにマチの発言で気づいたヒソカが、除念をして条件が整うまで待ったにも関わらず1対1で戦ってもらえないので、旅団員を皆殺しにすれば1対1でもう一度戦えると判断したのではないだろうか。

HUNTER×HUNTER』では、過去にも複雑な戦闘があった際にはネタばらし回があった。多分今回の戦いにもあるだろう。単行本には毎回10話分を収録しているので、34巻がクロロとヒソカの戦闘が始まったNo.351『死闘』からだと考えると、あと3回分ある。このあたりで、どう説明されるのか注目したい。

(6月16日追記)
もう一つ疑問点があったので追記。

No.351『死闘』で、クロロは"番いの破壊者"(サンアンドムーン)を使い、"携帯する他人の運命"(ブラックボイス)で操っている審判を爆破している。これは"栞のテーマ"(ダブルフェイス)で能力を同時に使えるということと、両手を使う能力も使えるようになったということのお披露目の意味もあった。

だけども、よくよく考えるとおかしい。

サンアンドムーンを使うためには両手が必要。しかし、戦いが始まってからは一貫してスキルハンター(右手)とブラックボイス(左手)を使っている。ダブルフェイスにはサンアンドムーンが挟み込んであると考えても、ブラックボイスを使って審判で攻撃し続けるためには、常に右手はスキルハンターで本を開いていなければならない。

にも関わらず、両手を使うサンアンドムーンが発動しているということは、P130で審判の影に隠れてから

1.ダブルフェイスでサンアンドムーンを発動
2.本を閉じる(ブラックボイスはこの時点で一度解除される)
3.両手を使ってサンアンドムーンを設置
4.またスキルハンターでブラックボイスを起動し、審判を操る

ぐらいの操作が必要になるはず。そして、爆破後に審判の影から表れたときには本をすでに閉じているので、その後にさらにまた本を閉じてしまう、ということを行ったのだろうか。

もちろん、ブラックボイスで襲わせているときに、本を閉じてサンアンドムーンを発動し、そのまま爆破という単純な線もある。だがその場合、操られているはずの審判が変な動きをするはずで、さすがにそんな瞬間があればヒソカは気づくのではないだろうか。

なので、この時点でクロロが持っていたのはアンテナだけで、実は観客席からシャルナークが操作をしていたという可能性もある。

新米姉妹のふたりごはん 1巻

電撃大王誌で大好評連載中の『新米姉妹のふたりごはん』の1巻が出ました!
あれです。帯を見てください。って、Amazonの画像だと帯が見えなかったりしますね。
えいっ
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右下を見てみてください。
「『醬油手帖』でおなじみ杉村啓のコラムつき!」

というわけで、コラムを書かせていただいています。
電撃大王誌に掲載されたものがそのまま載っているのに加え、書き下ろしもあります。

この作品はそういう意味では関係者なのですが、そういった視点を除いてもかなり面白いです。

親同士の再婚によって急に姉妹になった二人の女子高生サチとあやり。表紙の絵で言うと、手前が姉のサチで、奥が妹のあやりですね。この二人が、料理を通じて距離を近づけていく。というお話です。

ここで出てくる料理が実にいいのですね。世界一周な海外出張中の二人の父親が世界中の食材をあれこれ送ってくるわけです。生ハムの原木とか。というわけで、表紙の生ハム原木をスライスしている絵につながるのでした。

おいしそうだけじゃなくて、料理が楽しそうな料理漫画はなかなかありません。生ハムの原木とか、自分達でソーセージをつくる(しかも皮がネギ!)とか、ラクレットチーズとか、特別感がありながらも少し頑張れば手が届く。そういう料理が多いのです。いいですね!

じゃあおまえはそこで何のコラムを書いているのかと思った人もいるでしょう。基本的にはその回に出てきた料理とかの解説コラムを書いています。編集さんからは「途中で醤油の話を盛り込んでも大丈夫です!」と言われているので、もうそれはそれは思うままに暴走していたりいなかったりします。この辺は、実際に読んでみて確認してみてください! あ、書き下ろしコラムでは、料理漫画研究家としての視点でもあれこれ書いていますよ!

というわけで料理漫画好きにも、百合漫画好きにもオススメな『新米姉妹のふたりごはん』。今すぐ買うしかないですね!

2015年12月19日発売

おすすめマンガ40選(料理漫画以外)(2015年10月付)

僕的料理漫画大賞 料理漫画以外

N-Styelsさんのおすすめ漫画50作品(Kindle限定)を発端に、hageatamaさんのおすすめマンガ20選、kariaさんの最近オススメのマンガ7選、ぺらねこさんのコミック20選(前編)(後編)と、身内でマンガを紹介することが流行っています。というわけで僕ものりますよ! この流行に!

ただ、いつものように料理漫画を書くのも楽しいんだけれども、今回はあえて料理漫画じゃないものからセレクトしてみました。料理漫画編は後でまたがっつり書きます。

以下、選定ルールです。例によってマンガ大賞フォーマットにのっとっています。

  • 2014年11月から2015年10月(執筆時)までの1年間に単行本が発売されたもの限定
  • 単行本が8冊以内に収まっているもの限定

料理漫画は比較的蔵書を整理しているのですが、それ以外のマンガはあまり整理できていないので、主に本雪崩を起こした机の周囲をざーっと眺めてセレクトしてみました。なので、一ヶ月後に頑張ってお掃除できたらまた結果は変わるかもしれません。ど忘れしているものがある可能性も高いので。あと、他の人とかぶっていても気にしない強い心で! というかこれは僕がマンガについて語りたいだけなんで! というわけで基準は僕が熱く語れるか、だったりします。

あ、あと一つだけちょっとルールを加えています。それは、同一シリーズの中の新章が1巻からナンバリングされている場合には、上記の範疇に入るけれども順位を下げる、です。マンガ大賞のもともとの「人にお勧めしやすい(勧められた人が揃えやすい)」ために8巻までとしているところをすごくいいと思っているので、前提のシリーズが読みたくなってしまうものに関しては少し順位を下げました。ただ、連作のようなスタイルで前のを読まなくても大丈夫なものはこの限りではないです。あと、いつもは1位から書いていくんですが、今回は40位から書いています。最初に言っておきますが、すごく長いですよ!

40位 刃牙道(板垣恵介) 1〜8巻

のっけから同一シリーズの新章もの。地上最強の生物と称される父親を倒すため、強さを追求している範馬刃牙の物語です。今は、クローン技術とイタコによって現代に蘇った宮本武蔵と戦っています。こう書くと何がなんだか嘘っぽい気がするんですが、とりあえずお試し版を読んでみて! 本当ということがわかるから!
ちなみに、登場人物「烈海王」が前章で培ったボクシング技術を一切発揮しないままやられてしまったのが納得いかない、という事を語るために刃牙シリーズを知らない女子相手に100巻以上にわたる物語のあらすじをかいつまんで説明したことがあります。酔っていたとはいえ、やりすぎました。すみません。

39位 喧嘩稼業(木多康昭) 1〜4巻

喧嘩稼業(1)

喧嘩稼業(1)

喧嘩稼業(1) (ヤンマガKCスペシャル)

喧嘩稼業(1) (ヤンマガKCスペシャル)

こちらもシリーズ物の新章で。喧嘩最強の高校生、主人公の佐藤十兵衛が喧嘩するというお話です。が、ここでポイントなのは「喧嘩」ということ。いわゆるルール無用の戦いなのです。ルールの枠内で戦うことになったら、戦う前から陰謀を巡らす巡らす。そういうところが作中での「強さ」にもなっているのは本当にすごい。ほとんど戦わないで根回しとか交渉だけで1冊分終わっちゃうような格闘漫画ってあまり無いんじゃないだろうか。
ところで稼業になってから、喧嘩商売時代よりもちょっと絵が読みにくくなっているというか、ちょっと白くなっているような気が。3年ぐらい休載期間があったからしょうがないですかね……
試し読みはこちらから

38位 響〜小説家になる方法〜(柳本光晴) 1〜2巻

響?小説家になる方法?(1) (ビッグコミックス)

響?小説家になる方法?(1) (ビッグコミックス)

響~小説家になる方法~ 1 (ビッグコミックス)

響~小説家になる方法~ 1 (ビッグコミックス)

文芸雑誌の編集部に届いた、新人賞応募の原稿。鮎食響という名前だけで、住所も連絡先も記載されていないその原稿は、しかし、不況の純文学界を革命するほどの小説だった……というところから始まるお話。でもって、この鮎食響というのが主人公です。女子高生。性格はかなりエキセントリックというか、自分の中で決めたルールが絶対の天才です。突き抜けた天才と、その才能に振り回される(本人含む?)というお話ですかね。面白いです。そこに少し暴力も含む(本棚をばーんって倒すのはやり過ぎだと思う)ので、人によって合う合わないがあると思います。あ、流れ的に格闘枠に入れているというわけじゃないですよ、本当に!
2巻でだんだん話が進んできたというか、そこまでいっちゃうんだ。という感じがあります。
しかし、こういう圧倒的な天才、出てこないかなあと本好きとしては思うのです。あ、今だとそれが火花なのかな。
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37位 ひまわりさん(菅野マナミ) 1〜5巻

ひまわりさん (MFコミックス アライブシリーズ)

ひまわりさん (MFコミックス アライブシリーズ)

ひまわり書房とその店長「ひまわりさん」に集まる人と本のお話です。とはいっても、ビブリア古書堂の事件手帖のような謎解きはありません。お話はひまわりさん視点と、その彼女が好きな高校生まつりの視点で進みます。
この作品の魅力を一言で言うのはとても難しい。それぞれが本を大切にしつつ、お互いの関係を大切にしつつ、時には人のために一生懸命になる。そうやってゆっくりと全員が成長していく、時間の流れがとてもいいのですね。
とりあえず最後はお約束の、まつりちゃんの台詞で締めます。「ひまわりさん、好きだあああああ」

36位 織子とナッツン(原鮎美) 1巻〜

織子とナッツン 1巻 (ビームコミックス)

織子とナッツン 1巻 (ビームコミックス)

高身長でイケメンに間違えられる女子「天野織子」と低身長で小学生に間違えられるナッツンこと「小池夏生」の二人の女子大生のお話です。二人がルームシェアをして、あれこれ過ごしていくお話ですね。
実はこれ、同じ作者の4コマ漫画「でこぼこガーリッシュ」のストーリー漫画版です。4コマで毎回オチがあるテンポの良さもいいのですが、構成力がある人のストーリー漫画はいいです。面白いです。4コマのときよりもキャラクターが深く掘り下げられていくのかも。

35位 ブルーサーマル〜青凪大学体育会航空部〜(小沢かな) 1巻〜

ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部- 1 (BUNCH COMICS)

ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部- 1 (BUNCH COMICS)

主人公の都留たまきはずっと体育会系で過ごしていたため、大学では恋がしたい!と大学デビューをもくろむものの、なかなかうまくいきません。そんな折に、航空部へと半ば自業自得、半ばはめられる形で入部させられてしまいます。ところがそこで出会ったグライダーと、そして何より自分達の力で空を飛ぶことに魅せられていくのです……というストーリー。
グライダーで空を飛ぶことがテーマのマンガなのです。これが、実に面白いんですよ。作者の小沢先生がグライダーをやっていたということもあり、臨場感が抜群。つるたまの目を通して空を見ているうちに、感情移入のあまり自分もだんだん空に魅せられていくのです。華やかな面だけではなく、準備が大切で時間のかかるところも丁寧に描かれていて、それで余計に空を飛んだときの爽快感を味わえるのですね。
余談ですが、この本の発売日がちょうど台風がひどかった時期に重なったこともあってか、近所の書店に単行本が入荷していなくて探し回った記憶があります。
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34位 いきなりロングライド!! 〜自転車女子、佐渡を走る〜(アザミユウコ) 1巻

同人誌「ロングライダース」で連載されていたコミックエッセイが1冊にまとまったものです。アザミさんが自転車を買い、少し練習しただけで210kmの佐渡ロングライドに挑戦するという、ちょっと聞くと無謀なチャレンジのお話です。でもこれ、自転車乗りあるあるなのではないかと。レース志向じゃなくてホビー志向だと、ロードバイクを初めて手に入れて近所をゆったり走っているとだんだんイベントに参加したくなり、勢いで申し込む。イベントでの長距離を走りきった達成感と、打ち上げの楽しさで、そこからどんどんと自転車にはまっていく。という人は意外と多いんじゃないかと思うのです。僕もそうでした。なのでこの本にはどうやって自転車を選んでいくかといううんちくや、トレーニング方法についてが詳しく載っているわけではありません。初心者が自転車と出会い、はまっていくという気持ちが心地好く描かれています。
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33位 セケンノハテマデ(サライネス) 1〜3巻

これがどんなマンガかを説明するのは、サライネスファン以外には結構難しかったりします。
主人公のモーちゃんはロックバンド「メトロ6R4」のメンバー。メジャーデビューしたものの、ちょっとマイナーというかマニアックなバンドの日常生活を、ゆるーく描いていく……という形でいいのかな。バンドマンガと思いきや、演奏シーンとかライブシーンとかは少ないです。アルバム作りはあるけれども。それよりかはアホなことをやって日々過ごしていく日常系という表現の方がしっくりきますね。
サライネス作品は話のテンポがとてもいいんですよ。あと、作者目線からのツッコミとかも絶妙で。その心地よさを味わっているうちに、実際にこういう人達がいるんじゃないだろうかという気になっていくのです。こういう人達と一緒に過ごすのは楽しいだろうなあと。
同一シリーズの新章というわけではないのですが、前作「誰も寝てはならぬ」や前々作「大阪豆ゴハン」の登場人物も時折登場しています。
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32位 鮫島、最後の十五日(佐藤タカヒロ) 1〜4巻

バチバチ、バチバチBURSTに続く最終章。主人公の鮫島鯉太郎は幕内力士に。小兵力士ながらも、どんな相手にも真っ向からぶつかっていく姿勢にファンも多く、人気力士となっていた。ところが、あまりにも身体が小さく、太りにくい体質の鯉太郎は「相撲に選ばれていなかった」。休場も多くなり、満身創痍の鯉太郎。そしていま、最後の十五日が幕を開ける……
1つの取り組みごとに、怪我の問題、部屋の絆、自分より大きな力士に立ち向かう勇気。さまざまな事柄がクローズアップされていきます。最後に待ち受ける悲劇を予想させつつ、取り組みごとに完全燃焼している鯉太郎から目が離せません。ここには相撲の熱さ、激しさ、厳しさ、切なさ、悲哀が全て詰まっています。鮫島鯉太郎という力士の生き様を見届けたいですね。
試し読みはこちら

31位 UQ HOLDER!(赤松健) 1〜8巻

UQ HOLDER!(1) (講談社コミックス)

UQ HOLDER!(1) (講談社コミックス)

UQ HOLDER!(1)

UQ HOLDER!(1)

都へ行って一旗揚げたい! 村から見えているあの軌道エレベーターに乗りたい! という志を持った主人公の近衛刀太。色々あって不死者になり、不死者の集団「UQホルダー」の一員になる。さまざまな能力を持った仲間と一緒に事件を解決していく……という、お話です。王道バトルファンタジーという感じです。
前作の「魔法先生ネギま!」のキャラクターと設定を踏襲している、いわばネギま2とも言える作品。なんだけれどもシリーズの新章という扱いにはしていません。基本路線がバトルファンタジーになっているからということで。というわけで、王道です。基本構造は強敵や事件が現れる→修行する→倒すという構造でしょうか。バトルのための修行って、王道な感じがしますよね。トーナメントとかもあります。もちろん、細かいところのアイデアはさすがで、さまざまな不死身の概念などはなるほどとうならされました。個人的には、キリエの能力がずるくて好きです。でも、それに対するカウンターもきっちり用意してあるところがさすが。巻を追うごとにだんだん面白さが増してきています。
試し読みはこちらからいけそう

30位 波よ聞いてくれ(沙村広明) 1巻〜

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

波よ聞いてくれ(1)

波よ聞いてくれ(1)

主人公のミナレは失恋したときの愚痴を、酒場で知り合った男にこぼしてしまいます。そして後日。ラジオから何故かそのときの録音が! そう、男はラジオディレクターだったのでした。そのまま突撃してきたミナレはまた口車に乗せられ、生放送デビューすることに。というラジオ物……と言っていいのかなこれは。
とにかく言葉回しが秀逸で、面白く、テンポがいいです。ラジオが好きでよく聞いているんですが、まあ、こういう番組聞いてみたいですよね。と思っていたら実際にラジオで放送されたりもしたのでした。最高でした。
試し読みはこちら

29位 ストレッチ(アキリ) 1〜3巻

ストレッチ 1 (ビッグコミックススペシャル)

ストレッチ 1 (ビッグコミックススペシャル)

OLの慧子とその後輩の女子大生の蘭のルームシェア物語。一緒に生活をしつつ、ストレッチが出てきます。これだけでは何だかわかりませんね。わかりやすい表現をすると、「きのう何食べた?」の料理部分をストレッチに置き換えたものなのです。全然わかりやすくなっていないですね。医学生の蘭がやっているストレッチを2人でしつつ、お互いにゆっくりと心の傷を癒やしたり、成長していくという女の子達のお話です。
つい先日Webでの連載が終わってしまいました。最後のたたみ方は見事でした。
試し読みというかWeb連載ページはこちら

28位 僕らはみんな河合荘宮原るり) 1〜7巻

僕らはみんな河合荘 1 (ヤングキングコミックス)

僕らはみんな河合荘 1 (ヤングキングコミックス)

親の転勤により、河合荘で一人暮らしをすることになった主人公の宇佐くん。でも、そこの住人は奇人変人だらけだった! 出ようとしたけれども、オーナーの娘の律に一目惚れ。かくして、河合荘で暮らしていくことになっていくのでした。というラブコメです。
律先輩はまあ、本が好きで好きで。基本的にずーっと本を読んでいるし、読んでいる本の影響を受けまくり。はい、すごく親近感がわきますね。僕もずーっとぼっち先輩(律ちゃんの作中でのあだ名の一つ)のように、ひたすら本を読んでいました。登下校のときも基本的に歩きながら読んでいたし。なので、本を読み続けるぼっち先輩にも感情移入できてしまって、あああ僕もこういう風に思われていたのかああああと思ったりしたこともあったりなかったり。まあ、ぼっちではなかったと思います。多分。
ブコメとしても面白く、どちらかというとコメディ部分が面白いですね。ギャグ部分のキレと言葉選びが秀逸です。下ネタも多いけれども。
作中作の「ベイリー伯爵の余罪」はそのうち小説化されないかなあ。
試し読みはこの編からなのかな

27位 嘘解きレトリック(都戸利津) 1〜5巻

嘘解きレトリック 1 (花とゆめCOMICS)

嘘解きレトリック 1 (花とゆめCOMICS)

主人公の浦部鹿乃子は、人の嘘がわかるという不思議な能力を持つ。だがこの能力を疎まれ、孤独になり、生まれ育った村を出ることに。都会に出て知り合ったのは、頭の切れる貧乏探偵の祝左右馬。左右馬によって、能力を肯定され、一緒に数々の難事件を解決していくことになります。
これがね、いいミステリーなんですよ。嘘がわかればすぐそれで事件が解決するように一見思えるのですが、やはり人間そこまで単純ではありません。普段はおちゃらけていても、本質をつかむことに長けている左右馬が単に事件を解決するというよりも、一番いい解決方法を提示してくれます。そして、誰よりも孤独を知っているはずの鹿乃子が、それゆえに誰よりも正直で、人を信頼することの大切さを知っている。この二人が素晴らしいし、昭和初期の舞台もいい。上質なミステリです。
試し読みはこちら

26位 はねバド!(濱田浩輔) 1〜6巻

はねバド! (1) (アフタヌーンKC)

はねバド! (1) (アフタヌーンKC)

はねバド!(1)

はねバド!(1)

部員が足りないバトミントン部。新入部員を獲得しなければならないと考えた、今年から赴任したコーチは、大木を軽々と駆け上がる羽咲綾乃と出会う。全力で勧誘するも、彼女はバトミントンが嫌いだった……というところから始まる、バトミントンマンガです。
かわいい女の子がいちゃいちゃとバトミントンをやっていくお話と思いきや、だんだんと綾乃の天才性、異常性が明らかになっていきます。試合展開も描写もめちゃめちゃ熱い! 最新2巻分では、試合中の絵柄が変わっています。それがなんというんでしょう、スピード感と、集中し過ぎて周囲から色が消えていくような、そういう世界をよく表しているのですね。だんだん魔王というかラスボスのようになっていく綾乃の変貌も、きちんと理由がついています。読み始めたら6巻まで一気に読んでしまうでしょう。早く7巻出ないかな。
試し読みはこちらから

25位 虚構推理(片瀬茶柴・城平京) 1巻〜

虚構推理(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

虚構推理(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

同名の小説(原作・城平京)のコミカライズ。
幼い頃、怪異に掠われ、彼らの知恵の神になってしまった主人公の岩永琴子。そんな彼女が一目惚れした青年、桜川九郎は、怪異にさえ恐れられる男だった……というところから始まるお話です。えーっと、これ、どう語ろう。というのも、マンガ読んで面白かったからいま原作小説を読んでいる最中なので記憶がごっちゃになっている危険性が。
とりあえず、あれです。1話の試し読みがあるのと同時に、その1話のネームも公開されているので、読み比べるとより楽しかったりします。面白さは保証します。面白いですよ!

24位 くまみこ(吉元ますめ) 1〜5巻

くまみこ 1 (MFコミックス)

くまみこ 1 (MFコミックス)

くまみこ 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

くまみこ 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

東北の山奥の村で巫女をやっている中学生のまちと、その後見人(?)のクマのナツの掛け合いのマンガ。まちは「都会の学校に行きたい!」というけれども、世間知らずのまちが本当に都会でやっていけるのか心配するナツ。かくして、ナツはまちにさまざまな試練を与えていくのでした。
というマンガであるような気がするんですが、あまり深く考えなくて大丈夫です。まちかわいい。ナツもかわいい。そしてしまむら。この3点を抑えておけば大丈夫! というか、何故ときどきしまむらうんちく回が入るのだろう。面白いからいいのだけれども。
試し読みはここからたどれそう

23位 Wizard's Soul〜恋の聖戦(ジハード)〜(秋★枝) 全4巻

Wizard's Soulというトレーディングカードゲームが大流行していて、多くの人が遊んでいる世界でのラブコメです。どれぐらい流行しているかというと、プロ野球とかがそっくりゲームに置き換わっている感じでしょうか。学校でやっているとヒーローになるし、推薦入学もとれて進学に有利。プロもばんばんいてお金を稼ぎまくっていて、テレビで試合をやっている。という感じです。主人公の一ノ瀬まなかは、父親が作ったカードでの借金を返すために大会に出なければなりません。でも、実は亡くなった母親とのあれこれがあったため、このゲームが嫌いなまなか。だけど、家族のために、まずは好きだった相手からデュエルポイント(大会に出るためのポイント)を奪い……という、まなかの恋と苦悩を描いています。
まなかのデッキ(カードの組み合わせ)が、敵を打倒するというよりは、相手をコントロールするタイプのものだったりします。そういうタイプを使って、相手に嫌われないか苦悩するまなか。ましてや好きな相手にだと余計に悩むと思います。そうした葛藤を乗り越えつつ、過去を乗り越えてゲームを好きになっていく成長物語要素も入っています。でもまあ、ラブコメと考えた方がいいでしょう。主軸はゲームというよりは、やっぱり恋愛です。
ちなみに僕もカードゲームをやっていたんですが、そのときのプレイスタイルをこの作中の登場人物で表現すると「まなかとロマンさんを足して2で割らない」というあれでそれな人でした。
試し読みはここかな?

22位 盤上の詰みと罰(松本渚) 1巻〜

詰みと罰は罪と罰ではありません。将棋の詰みです。というわけで、将棋漫画を。
主人公の霧島都は史上初の女流六冠を、しかも十代で取った天才棋士。しかし、ある時を境に姿を消してしまう……5年後に現れた彼女は、1ヶ月ごとに記憶がリセットされるようになっていた。そして、だんだん記憶が失われていく(新しい戦法とかを覚えることができない)のなら残りの人生を将棋に捧げようと、将棋のための旅をすることにした都。いったい誰との対局が原因で記憶を失うようになったのか。というお話です。
監修は戸辺攻めで現在絶好調の戸辺誠六段。これからが楽しみ……と思っていたら、コミックハイ休刊に伴って連載終了。2巻は書き下ろしを加えて発売だそうです。残念……
試し読みはこれ

21位 スピリットサークル −魂環(水上悟志) 1〜5巻

スピリットサークル 01―魂環 (ヤングキングコミックス)

スピリットサークル 01―魂環 (ヤングキングコミックス)

輪廻転生をテーマとした作品。主人公の霊が見える体質の桶屋風太は、額に大きな傷のある転校生石神鉱子の後ろに背後霊がついていることに気づく。偶然霊が見えることが鉱子にばれた後、鉱子は前世からの因縁があることを告げ、風太スピリットサークルをたたきつけ、過去生を見せていく。こうして、風太のさまざまな過去を巡る物語が始まる。
過去生はいくつもあるため、連作のようにもなっているけれども、それぞれに意味があり、鉱子だけでなく周囲の人達全てとの因縁を知っていくという構造がめちゃめちゃ面白いです。
試し読みは多分ここから

20位 VANILLA FICTION(大須賀めぐみ) 1〜7巻

VANILLA FICTION 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

VANILLA FICTION 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

主人公は売れっ子小説家の佐藤忍。彼の書く小説は全てバッドエンド。「自分が一番幸せと実感しないとハッピーエンドは書けない」という超ネガティブ思考の持ち主だったのだ。そんな彼が、ふとした折から天使の格好をした少女牧野エリを争奪する、神様の双六ゲームに巻き込まれてしまう。追っ手を振り切って、ゴールまでの逃避行を成功させることができるのか!? という、サスペンス物です。人がばんばん死にます。
佐藤先生の窮地の切り抜け方がいいんですよ。指をパチンと鳴らして、相手にとってのバッドエンドは何かを考えるというもの。ネガティブ思考すぎて自分のハッピーエンドは思いつかないので、相手の最悪の事態を考え、そこに誘導するという解決方法なのです。
登場人物も魅力的で、エリちゃんはかわいいし、パートナーの不死者(?)太宰の飄々としたところもいい。さらには、双六の相手の鞠山も自分の息子ドラジェのためなら何でもやるという執念もいい。ゲームは佳境に入っているので、続きが今最も気になる作品の一つです。ちなみにタイトルのVANILLA FICTIONは「なんでもない、ありきたりな作り話」という意味。
佐藤先生の本、読みたい。
試し読みは多分ここ

19位 昭和元禄落語心中雲田はるこ) 1〜7巻

昭和元禄落語心中(1) (KCx)

昭和元禄落語心中(1) (KCx)

昭和元禄落語心中(1)

昭和元禄落語心中(1)

舞台は昭和後期。チンピラだった与太が、服役中に慰問にきた八代目八雲の落語に感動し、押しかけ弟子に。そこから、八雲、与太、八雲の養女小夏などを絡めて、落語家の業と、そして内面や素顔が描かれていく。
昭和の時代の落語家といえば大スターだったけれども、だんだんと落語そのものが衰退していくという時代にあえて押しかけ弟子入りをし、みんなに好かれながら成長していく与太の話。そして、八雲の過去編。また現代に戻って与太の話と、現在単行本が出ているだけで3部構成になっていて、それらがいろいろと複雑に絡み合ってお話が展開していきます。とりあえず、タイトルに「心中」とついている通り心中が大きな意味を持っています。
落語に対して造詣が深いわけじゃないので、落語部分の説明はうまくできません。が、演じているときの表情とか、話に合わせて艶っぽくも恐ろしくもなるところとか、描写も本当に素晴らしい。アニメにもなるとのことで楽しみですね。
試し読みはここからいけます

18位 僕だけがいない街三部けい) 1〜6巻

売れない漫画家、藤沼悟は「再上映(リバイバル)」という特殊能力を持っていた。事故などに遭うと、自動的に少しだけタイムスリップして過去へ戻り、何度も同じシーンに遭う。これは原因が取り除かれるまで続く。というもの。この能力を使って、現代の母親殺害の事件と、過去の誘拐事件の真相を探っていくというお話です。
ミステリ系なのであまり語りすぎるのもネタばらしになっちゃうかもしれないので多くは書けないのですが、伏線の散りばめ方とその回収が見事ですね。あと、タイトルロゴのフォントを一文字ずつ徐々に変えていって、作中のキーワードでもある「違和感」を表現しているのも素晴らしい。
試し読みは1話と最新話が読めるみたい

17位 魔法使いの嫁ヤマザキコレ) 1〜4巻

魔法使いの嫁 1 (BLADE COMICS)

魔法使いの嫁 1 (BLADE COMICS)

身寄りの無い少女チセをオークションで買ったのは、人ではない獣骨の頭を持つ魔法使いのエリアスだった。というところから始まる、異類婚姻幻想譚。
世界観がとにかく素晴らしいですね。そして、だんだんチセが心を開いていくお話かと思いきや、エリアスの方も大きな秘密を抱えていて、お互いにゆっくりゆっくりと距離を縮めていく雰囲気がとてもいいです。
試し読みはここから1話とか最新話が読める模様

16位 ABC殺人事件 名探偵・英久保嘉門の推理手帖(星野泰視) 1巻〜

ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖 1 (ビッグコミックス)

ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖 1 (ビッグコミックス)

ABC殺人事件! アガサクリスティ! と思った方。正解です。これはあの名作「ABC殺人事件」を下敷きに、舞台を昭和十一年の帝都に移したもの。エルキュール・ポアロの役をやるのがタイトルにも名前が出ている、英久保嘉門です。小男で、ヒゲで、灰色の脳細胞です。「ABC」と名乗る殺人鬼からの挑戦状に立ち向かっていくのですね。ちなみに昭和十一年といえば、二二六事件。ちょうど二二六事件発生と、この事件が重なっているので、今後どう深く関わっていくのか期待大ですね。
ABC殺人事件ってどこまでお話をしていいんだろう……いわゆる古典の名作でも、ミステリだと何か語るとネタばらしになりそうなので、余分な物が漏れないようにこれぐらいで。
試し読み直リンクはこちら

15位 夕空のクライフイズム(手原和憲) 1〜6巻

夕空のクライフイズム 1 (ビッグコミックス)

夕空のクライフイズム 1 (ビッグコミックス)

夕空のクライフイズム(1) (ビッグコミックス)

夕空のクライフイズム(1) (ビッグコミックス)

個人的にはいま一番面白いサッカーマンガなのではないかと! 正確には、サッカーネタマンガとも言うべきなのかもしれませんが。
ガチガチのシステマチックなサッカーを標榜する監督の下で、指示を無視してドリブルに拘っていたために半ば干されていた高校生の今中くん。ところが、監督が他校の引き抜きにあってしまった。新しく就任した監督は中二病で、クライフが大好きで、「どうせなら戦って美しく散りましょう」という哲学の持ち主だった。いったいこれからどうなる!? というお話です。
いろんなサッカーマンガとかで「楽しいサッカー」というのが出てきますが、この作品が一番明確に「楽しいサッカー」を定義してくれている気がします。どうせ高校の部活では、最終的には1校を除いて負けるんだから、美しく散ろうという負け前提で楽しいサッカーに注力する。優勝候補の強豪ではないからこそ目指せるサッカーではないかと。
随所に出てくるマニアックなサッカーネタは、正直わからないところも多かったりします。でも、なんとなく楽しい。そして何より時折開催される男子高校生による会議が面白い。紳士的に、女子のあれこれ(あの太ももはサッカー経験者か? とか、女子の着るユニフォームはぴっちりがいいかだぼだぼがいいか等)について語り合うのです。同志よ!
試し読みはこちらから

14位 ハリガネサービス(荒達哉) 1〜6巻

ハリガネサービス 1 (少年チャンピオン・コミックス)

ハリガネサービス 1 (少年チャンピオン・コミックス)

中学のバレー部ではピンチサーバーだった主人公の下平くん。高校でのバレー部でも、一緒に入った同級生達は元東京選抜。ここでもダメなのか……と思ったそのとき。サーブ練習で、あまりに正確なサーブに周囲が気づく。レシーバーは一歩も動かず、腕すら動かさないで、10級連続で寸分の違いもなく同じところにサーブがきたのだ。下平は本当に狙ったところにサーブを打てるのか……? というところから始まる青春バレーボール物語。
これが、とても面白いのですよ。下平くんは怪我のトラウマからジャンプができなかったりするのですが、そこでサーブ練習を重ねて類い希なサーブの才能を開花させていたのです。どれぐらい正確なサーブが打てるかというと、狙ってネットインができるぐらい。まさに一芸で一点突破型の主人公ですね。
他のメンバーも個性的だし、試合の展開もとてもいい。そりゃあちょっと正確無比すぎるサーブというのは現実感が無いかもしれませんが、それでも面白いものは面白いのです。新たな異能(といってもいいでしょう)を持った敵も登場するし、超オススメ!
試し読みはLINEマンガでも読めるみたい

13位 バーナード嬢曰く。(施川ユウキ) 1〜2巻

本読みを気取りたい町田さわ子が本を読まないでわかったようなことを言うマンガ。というとちょっと身も蓋もなさすぎるので、できるだけ楽して本読みに(見えるように)なりたい町田さわ子が、SF好きの神林さんとか、シャーロキアンの長谷川さんとか、流行り物の本を少し遅れて読むのが好きな遠藤くんとかと繰り広げる、本をテーマにした会話劇です。
いやーもう、本好きの人は読んだ方がいいでしょうとしか言えません。SF好きはマストかと。

12位 ドリフターズ平野耕太) 1〜4巻

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

古今東西の英雄が今際の際に中世ヨーロッパ風の異世界に召喚されて、戦うお話。一言で片付けちゃうとこんな感じなんだけれども、まあこれがとっても面白い。まあもうほとんどの人が知っているだろうし検索するとたくさん出てくるだろうから今更僕が言うまでもないですが。
ノブノブの策略とか策におぼれるところが特に好きです。
試し読みはここかな?

11位 ゆゆ式三上小又) 1〜7巻

ゆゆ式 1巻

ゆゆ式 1巻

ゆゆ式 (1) (まんがタイムKRコミックス)

ゆゆ式 (1) (まんがタイムKRコミックス)

実は告白をいたしますと、最初はよくわかりませんでした。ノリとか。でも周りの友達がみんなはまっているし、考えるな、感じるんだという言葉に従って何度も読んでいくうちにだんだんはまってきました。読書百遍義自ずから見る。という奴でしょうか。多分違います。
そして今世紀の覇権アニメとして名高いアニメ版ですが、人生において一挙上映が至近距離で何度となく行われていたにもかかわらず、しっかりと通して見たことがありませんでした。これから見ようと思います。諸先輩方、ご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。
(※書きながら、ニコ生でやっていたBD BOX発売記念一挙放送をちょこちょこ見ることに成功しました)
試し読みは多分ここから

10位 Dimension W(岩原裕二) 1〜8巻

ディメンションW(1) (ヤングガンガンコミックス)

ディメンションW(1) (ヤングガンガンコミックス)

コイルと呼ばれる、異次元からエネルギーを取り出す発明によってエネルギー問題が解決した未来。不正コイルの回収屋のキョーマは相棒ミラと共に、さまざまなコイルにまつわる依頼を解決する。というSFアクションです。「W」はXYZ軸とは別の第四の軸という意味ですね。
「コイル」の設定といい、それによって発明されているものといい、実にいいSFです。しっかりした世界観。詳しすぎず、順を追って丁寧に描かれていく描写。魅力的なキャラクター。どこをどうとっても面白い要素しかありません。どうでもいいのですが、新たな発明によりエネルギー問題を解決って、ジャイアントロボ〜地球の静止した日〜を思い出しますね。僕だけかもしれませんが。
これを書いているときにアニメになるということを知りました。見なきゃ!
試し読みはここからいけそう

9位 白暮のクロニクル(ゆうきまさみ) 1〜6巻

不老不死の存在「オキナガ」。主人公の伏木あかりは厚生労働省の保健所研修中に、オキナガの殺人事件に出くわしてしまう。オキナガを監督する部署に配属されたあかりは、この事件を追うように命令される。かくして、殺人等の書籍を集めた私設図書館の司書である雪村魁とコンビを組み、事件を追っていく……というお話です。
オキナガの設定がいいですね。不老不死とはいっても、老衰や自然死がないだけで、きちんとした殺し方をすれば殺せます。血が必要だったり、紫外線アレルギーになったりするので、ベースは吸血鬼みたいなものと考えておけばいいでしょう。でもって、この設定が事件にうまくいかされているのです。日常の描写をしっかり重ねることで、本当にこういう世界があるのではと思わせるのはさすがですね。しかもその日常描写が面白いの何のって。これも早く続きが出て欲しい本です。
試し読みはここからあれこれいけそう

8位 王様達のヴァイキング(さだやす) 1〜8巻

王様達のヴァイキング 1 (ビッグコミックス)

王様達のヴァイキング 1 (ビッグコミックス)

社会性もコミニュケーション能力も皆無な是枝少年。彼が持っているのは、ハッキングの腕だけ。エンジェル投資家の坂井と会うことで、彼は自分の腕を活かし認められる日の当たる世界があることを知り、社会へと乗り出していく。
コンピューター犯罪を扱った作品の中では出色の出来です。リアルで、スピード感があり、現実味にあふれている。専門用語が多いのですが、単行本だと巻末に解説があったりするので知らなくても何とかなるはず!
孤独で、コンピューターと犬だけが友達だった是枝くん。今までは自分を認めてくれる、他者とわずかな交流を持てたのがクラッキング(犯罪)だけだったのが、坂井と出会い、表舞台でもその腕を活かす方法があることを知る。これって、こういうタイプの人にはとても重要なことだと思うのです。巨大な才能も、それを正しく舵取りする人がいないともてあましてしまうことがあるわけですね。是枝くんと坂井さんはすごくいいバディだと思います。
試し読みはここからいけそう

7位 あとかたの街(おざわゆき) 1〜4巻

あとかたの街(1)

あとかたの街(1)

あとかたの街(1) (KCデラックス BE LOVE)

あとかたの街(1) (KCデラックス BE LOVE)

太平洋戦争時の、名古屋大空襲を描いた作品です。12歳の少女あいの目を通して戦争末期の日常と戦争、そして空襲が描かれます。
日常描写がとても丁寧に描かれているので、だんだんと始まる空襲のひどさ、むごさが際立ち、胸に迫ります。
作者のおざわゆき先生の母親の実体験がベースとなっているとのこと。戦争のことをまだ覚えている世代が生きているということと、資料があるということと、そういったタイミングが合わさって、今描かれるべくして描かれた作品なのかもしれません。
試し読みはこちらから

6位 ボールルームへようこそ(竹内友) 1〜8巻

ボールルームへようこそ(1)

ボールルームへようこそ(1)

ボールルームへようこそ(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

ボールルームへようこそ(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

あらゆるスポーツマンガの中で、今最も熱いマンガと言えるかもしれません。平凡な中学生だった富士田多々良が社交ダンスの世界に入り、さまざまな人と出会ってダンスの世界へのめり込んでいきます。
もう、ダンスシーンの躍動感、身体の描写、筋肉、艶っぽさ、全てが素晴らしい。昴でも感じたことなのですが、言葉を使わない肉体を使った原初のコミュニケーションがダンスということで、台詞が無くても多くのものがどんどん伝わってきます。
試し読みはここからいろいろと

5位 BLUE GIANT(石塚真一) 1〜6巻

ジャズの世界に心を奪われた高校生の宮本大は、サックスを手に入れ、練習をし、世界一のジャズプレイヤーを目指す! という作品なのですがもちろんそれだけではありません。大の愚直なまでのジャズにのめり込んでいく姿。自分の信じるもののためには、他の人がどう思おうと気にしない前向きさ、ひたむきさ。師匠との出会いと成長。淡い恋。故郷との決別。後に世界的プレイヤーになるであろう、大の生き様の全てが描かれていると言っても過言ではありません。迫力ある演奏シーンは、大がだんだんうまくなっていくと共に、表現が増えていく感があります。
何よりも最高なのは、(おそらく単行本のおまけの)ボーナストラックでしょう。その巻で登場した人物に、(大が世界的プレイヤーになっている未来で)大とどのような出会いをしたのかインタビューをするという形式なんですが、これが本当にすばらしい。1冊読み終わった後にこのボーナストラックが入っていると、なんかこう、グッと目から熱い物が流れてきます。
音楽漫画にハズレ無し、といいますが、今一番熱い音楽漫画ですね。
試し読みはこちらにあるけれどもここの公式ページ面白いのでいろいろ読むといいかも!

4位 僕のヒーローアカデミア(堀越耕平) 1〜5巻

僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス)

僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス)

現役ジャンプっ子としては、やっぱりこの作品は外せません。
「個性」という超常能力を持って生まれるのが当たり前になった未来。その能力を犯罪に使うヴィランと、それを退治するヒーローがいる世界。その中で、無類のヒーローマニアの主人公の緑谷出久(デク)は個性が発症しない、無個性だった。ところがひょんなことから、No.1ヒーローオールマイトと出会い、彼の個性を受け継ぎ、後継者となる。そしていま、ヒーロー養成学校に入り、さまざまな個性を持ったクラスメイト達と切磋琢磨し、ヒーローを、オールマイトを目指す。
というお話で、これがまた非常に熱い。王道の少年成長物語です。クラスメイトそれぞれもヒーローにならなければならない理由やトラウマ等を抱えていて、キャラが立っているのがいいですね。
今はデクの成長物語に集中していますが、おそらくこの世界で起きる諸問題(たとえばデクのように無個性の人がいじめられるとか)までも描いてくれると、アメコミのような深みを持った超大傑作になるのではなんて期待を今からしていたりします。
試し読みはこの中にあります

3位 スティーブズ(うめ・松永肇一) 1〜2巻

スティーブズ(1)

スティーブズ(1)

スティーブズ 1 (ビッグコミックス)

スティーブズ 1 (ビッグコミックス)

これが僕らの見たかったスティーブ・ジョブズ! というべき、スティーブ・ジョブズApple創世(あえてこの言葉を使う)ストーリー。なんというか、iPhoneが出てからのジョブズ御大って、日本の報道のされ方ではなんかこう、聖人君子的なヴィジョナリストのような扱いが多かった気がします。でも、そうじゃない。もっとこう、攻撃的で、近くにいると現実を歪曲されてしまうようなエネルギーに満ちあふれすぎている人だと思うのです。それを余すところなく描いているのが、このスティーブズなのですね。
出てくる人はみんなかっこいい。ゲイツもとてもかっこいい。台詞回しもかっこいい。「伝記」ではなく、しっかりとした「マンガ」になっているからこそ、この時代のエネルギッシュで疾走感溢れる世界が描けているのではないでしょうか。
それにしても、下記の記事に書いてある、ジョブズvsゾンビ編。超気になります……www.excite.co.jp
試し読みはこちら

2位 黒博物館 ゴースト アンド レディ(藤田和日郎) 上下巻

黒博物館シリーズの新作。今回はナイチンゲールと、生霊グレイのお話です。生きる希望を失っていた彼女は、取り殺してしまうため、劇場に出るというグレイマンに会いに行く……というところから始まる、ナイチンゲールの伝記にオカルト要素を加えた作品です。
ナイチンゲールとグレイの抱えている闇とお互いに理解していくとことか、ナイチンゲールがクリミアの天使になるまでの戦いとか、一連の伏線の張り方や回収の仕方はもうさすがの出来としか言いようがありません。読み始めると一気に読んでしまします。
試し読みはこちら

1位 百万畳ラビリンス(たかみち) 上下巻

百万畳ラビリンス  上巻 (ヤングキングコミックス)

百万畳ラビリンス 上巻 (ヤングキングコミックス)

百万畳ラビリンス  下巻 (ヤングキングコミックス)

百万畳ラビリンス 下巻 (ヤングキングコミックス)

リアル脱出ゲームとか、映画「CUBE」が好きな人ははまるんじゃないでしょうか。というか、僕がそれです。
女子大生の礼香はとても好奇心が旺盛で、それゆえに常識にとらわれない発想でゲームのあらを探す、バグ探しが得意。バイトもゲーム会社でデバッグをしている。そんな礼香とルームメイトの庸子が、ふとある朝目が覚めると謎の和室に閉じ込められていた。いけどもいけども続く和室。部屋がループしていたり、下に落としたボールが上から降ってくるなど、通常の物理法則から外れた空間。でも礼香はそんな状況を愉しみます。果たして二人はこの畳の迷宮から脱出できるのか……?
という、SFです。とにかく話の完成度が高い。読み始めたら、一気に上下巻を読み切ってしまうでしょう。不条理な世界と、そのあらを探して脱出方法を探す冒険譚にぐいぐい引き込まれていくでしょう。
特に面白いのは、その世界の特性を利用した礼香の発想です。コピー&ペースト的に、一つの部屋で起こした変化が、別の部屋でも起きることに気づいた彼女。例えば、ちゃぶ台の上にボールを乗せると、次の部屋のちゃぶ台にもボールが乗っています。では、ちゃぶ台の上にさらにちゃぶ台を乗せるとどうなるのか? ということをやったりもします(どうなるかは読んでのお楽しみということで)
ゲーム好きな人は絶対に読んだ方がいいと思いますよ!
試し読みはこちら

まとめ

がーっと勢いで作品をリストアップして、がーっと書いていったんですが、書いている最中に「あ、あれもあった」「それを忘れていた」とかもりもり出てきました。だけどそのままの勢いを大事に後から加えることはしないで書きました。なのであれがない! とか、これがあるのにそれがないのは納得いかない! という人は、単に僕のミスの可能性があります。あと、本当に僕がその作品を知らない可能性も高いので、おすすめ教えていただけたらと。
基本的に料理漫画は全て読むのですが、その他のマンガは結構メジャー志向ですね、僕。というまとめでした。
マンガ大賞フォーマットにのっとっていない、9巻以上あるバージョンとかもちょっと書きたい気がします。

あ、最後の最後にダイレクトマーケティング。白熱洋酒教室がもうすぐ出るのでよろしくお願いします!

白熱洋酒教室 (星海社新書)

白熱洋酒教室 (星海社新書)

あと10時間のセール! ニコニコカドカワフェア2015の中の料理漫画を紹介します

きんどるどうでしょうさんで、こんな記事を書かせていただきました。kindou.info
ニコニコカドカワフェアで50%引きになっているKindle本の中で、料理漫画を紹介しようという企画です。
記事中で紹介したのはこちらの5作品。詳しい説明はきんどるどうでしょうさんでどうぞ!

記事を書くためにざーっとニコニコカドカワフェアを見て料理漫画をピックアップしていたので、きんどうさんで紹介しきれなかった分をこちらで紹介します。セール終了まであと10時間もないので、本当に軽く紹介です。一部、過去のブログで書いたものを再掲しているのもあるので、アレこの文章読んだことがあるかも、と思っても気にしないでください。

高杉さん家のおべんとう
お弁当をテーマにしたハートフルコメディがついに完結です!
僕はこの作品が好きで好きで、このブログでも何回もとりあげているので今更ですが完結記念ということで。
オフィシャルファンブックである、メモリアルもKindle化されています(Kindle化ちょっと遅れていました)


●女子会QUEST
ファンタジー世界が舞台の作品。ジョセフ王の護衛官として、サミット(主要国首脳会議)にも護衛として同行した主人公クロエ。会議中は控え室で待機します。そこで出会った各国の護衛官は、みんな女でした。女子が集まったら、そう、女子会です。かくして、月一回のサミットのたびに、クロエ達は女子会を開きあれこれを赤裸々に話していくのでした。

という作品です。女子会だけに毎回お菓子が出てきます。まあ、厳密には料理漫画ではないのですが、面白いので!


●あやかし和菓子屋本舗
じいちゃんから和菓子屋を受け継いだ若竹忠国。実は受け継いだのはそれだけではなく、見鬼の才も受け継いでいたのだった。というわけで、じいちゃんゆかりの妖怪達が次々と来店して難題をふっかけてきます。忠国はネコのキューちゃんと一緒にそれを解決していきます。もちろんキューちゃんも普通のネコではなく、人型になって和菓子作りのアドバイスをしてくれます。
ちょっと面白いのは、妖怪から御礼でもらうアイテムが、次の難題の解決方法につながっていたりすること。一話ずつ完結するオムニバス形式でありながら、話がつながっているので、登場する妖怪もどんどん増えていきます。


●寺カフェ日和
すみません。これはチェックから漏れていてまだ読んでいません。両親と死に別れたことから、お寺の養子になった主人公が、坊主にならないために寺でカフェをやる物語のようです。今から読みます。


ログ・ホライズン にゃん太班長・幸せのレシピ
ログ・ホライズンの外伝シリーズのひとつ。登場人物随一の癒やし系(?)にゃん太班長が主人公の漫画です。特技である料理がもりもり出てきますね。3巻まで出ていますが、セール対象は2巻までのようです。

彼女たちのメシがマズい100の理由
同名のライトノベルの漫画化。両親が海外に行ってしまった主人公のために、幼なじみの彼女が料理を作ってくれます。ところが、それがもう料理とは思えないマズさだったのです。という作品。その後もいろいろな女の子が出てきたりするのですが、基本的に料理がおいしそうではありません。というラブコメですね。
とりあえず紹介文に書いてある「ホットサンドに苦みが欲しいからバファリン入れるなっ!!」というのが全てでしょう。半分は優しさ……


●コーヒーもう一杯
コーヒーをテーマにした連作集です。コーヒーにまつわる悲喜こもごもということで、恋愛話とか、ときにはブラックジョークなどが展開し、その中でコーヒーが重要な役割を担っています。最近出た、シリーズ小さな喫茶店「一杯の珈琲から」もおすすめです。


●三鬼本家の食卓
主人公の高洲礼次郎は、通っていた小料理屋「みきもと」の女主人、智子にプロポーズします。でも、一回り年上の智子さんには、3人の息子がいたのでした。というところから始まるストーリー。こう書くとちょっとハートフルなものを想像してしまいますが、3人の息子が、まあ、それぞれ問題を抱えているわけです。高洲(実は一流企業を継いだ御曹司)がお金の力ではなく、真摯な気持ちでそれらを解決に導きつつ、智子さんの料理が家族の絆となるという、読み応えたっぷりの王道ストーリーです。おすすめです。


●ごはんしよ!
主人公のナツミは両親の離婚で、山奥の小学校の寮に入ることに。都会育ちのナツミにとって、山奥の田舎は慣れなくて大変。そこを、寮で出てくるおいしい料理で解きほぐしていく、というお話です。料理もおいしそうだし、お話も面白いのですが、ちょっとナツミが田舎に順応するのが早すぎてしまったかもしれません。2巻で完結になってしまいました。残念です。
あ、そうそう。寮監の人は、個人的にはどう見てもタイガー&バニーのおじさんに見えるんですが、気のせいでしょうか……


●ホクサイと飯
ホクサイと飯もセール対象に!
主人公の山田ブンは漫画家です。容赦なくやってくる〆切に対抗するにはどうしたらいいか。そうだ、朝ご飯を作ろう(逃避)。というわけで、〆切があったり編集さんと戦ったりするとご飯をしっかり作って食べるのです。しかもこれが割と全力なのです。〆切間際にこんなに手間暇掛けていいの?! と言うぐらい毎回本気で料理しているのですね。
ホクサイは彼女の持っているぬいぐるみで、ツッコミ役です。これがまたいい味を出しているのです。

この漫画の一番素晴らしい点は、何と言っても料理というのは手間暇掛けてしっかりと作れば美味しくなるということでしょうか。そして、美味しいものを美味しく食べれば元気が出てくるという、ごくごく当たり前のことを教えてくれます。
ヤングマガジンサードでの続編も出ています。ブンの学生時代のお話ですね。関係ないのですが、舞台が北千住なので、元北千住の住人としてはその辺も見逃せません。


●漫画・うんちく居酒屋
居酒屋で席につき、高らかに「とりあえずビール!」と注文。するとそこにかかる声が

「……知っているか? 広島弁で『とりあえず』を『たちまち』というーー
 つまり広島ではこういうのだよ。『たちまちビール』……と!」

彼こそは雲竹雄三(うんちくゆうぞう)。夏だろうがなんだろうがトレンチコートに身を包み、酒に関するうんちくを言いたいだけ言って去って行く。最終的には都市伝説「居酒屋うんちく男」になっていました。ちなみに既婚。奥さんとは別居中。
全部で18話で構成されていて、それぞれの話の終わりには作中の知識を再確認するクイズが3〜4問出題されるというお話です。


●五百蔵酒店物語
お酒が飲めないのに家業の酒屋を継がなければならなくなった主人公の五百蔵慶。お見合いで一目惚れした穂波と共に、酒屋を日本酒専門店にして立て直そうとするお話です。ちょっと、純米に寄りすぎている感はありますね。単行本は2巻までしか出ていないようなのですが、3巻分はコンビニコミックスで読めます。


●ラーメン王子
主人公の成宮禎王は広告会社勤務のサラリーマン。実は遭難事故に遭い、無人島で10年間暮らしていた間にラーメン大事典を読み続けていたせいで、めちゃめちゃラーメンフリークになったという過去があります。そう、知識はあるけれども食べたことはない、というわけですね。

そんな禎王が実在のラーメン店を食べ歩いたりするのがこのラーメン王子になります。美味しいラーメンを食べると「うまラッ!!」と叫んだり、リアクションが面白いです。もちろんラーメンについても詳しいので、ラーメン好きには参考になるでしょう。ただ、もとが2008年の本なので、現在の進化スピードの速すぎるラーメンから考えると、若干情報が古いかもしれません。

ちなみに書籍版の1巻の帯は、藤子不二雄A先生がラーメン大好き小池さんの絵を描かれていました。電子書籍版にはあの帯が無いのが残念です。

「新米姉妹のふたりごはん」でコラムを書かせていただいています

daioh.dengeki.com

6月27日発売の電撃大王8月号より、柊ゆたか先生の「新米姉妹のふたりごはん」の連載が始まります。

両親の再婚により、突然姉妹になったサチとあやり。いきなり今日から姉妹と言われても、なかなか距離を近づけることができません。そんなとき、荷物の中から出てきた父親からの贈り物。それは、生ハムだった……

という冒頭から始まる、二人のお話です。
見所はやっぱり女の子のかわいさもさることながら、料理もおいしそうなところです。何せ最初から生ハムですからね!

読者様の中には、もっと料理について詳しく知りたい! 自分でも実際に作ってみたい! 生ハムについて詳しく知りたい! という人もいるでしょう。本作ではそういう人のための解説コラム『実践!! ふたりごはん』があります。はい、これを僕が書かせていただいています。主に出てきた料理の解説とかをしているはずなんですが、ちょっと暴走することがあるとかないとか。い、いや、別に、醤油の話をしだしたら止まらないとかそういうわけじゃないんですよ本当に。

役得で先に読ませていただいているのですが、本当に面白いです。二人ともかわいいし(僕はあやりさん派)、料理の題材も普段その辺のコンビニとかで売っているものとかじゃないんだけれども、ちょっとだけ頑張ればすぐに買えるという絶妙なところをついているし、おいしそうだし、すごくいいんですよ! 毎回次はどんな料理がくるんだろうと、一読者としてもわくわくしながら待っている状態です。

料理によって二人の距離は近づくのか、それとも近づかないのか。新米姉妹の成長を見守っていきましょう!

将太の寿司2 World Stage 4巻(完)

今日の料理漫画 寿司

将太の寿司の続編が、完結してしまいました。完結というか、残念ながら打ち切りのようです。なぜこんなにも僕が残念がっているのか。それはこの作品が提示しているテーマがとても魅力的だったからです。

いま、世界では寿司ブームがおきています。和食の世界遺産登録も後押ししていますし、ヘルシーな寿司という料理は今や世界中で食べることができます。でも、そこで提供されているのはいわゆる江戸前の握り寿司のようなものではないものも多かったりします。有名なカリフォルニアロールだけではなく、さまざまなソースをつけた寿司とか、軍艦にアイスクリームをのせたりとか。はたまたお米を使っていない、フォアグラとマシュマロのお寿司なんてのもあったりします。

そういったお寿司を「外国人が適当に作ったもの」と言うのは非常に簡単ですが、果たして偽物の寿司と決めつけてもいいのでしょうか?

もともと国によって文化が違うのは当たり前で、気候も違うし、育ってきた味も違います。だからこそ、その国に合わせて他国の料理をアレンジすることがあります。それは日本の得意技でもあったりするわけです。

例えば癖が強いものでも「日本人向けに少し刺激を抑えて」みたいにしたものがあったりしますし、そもそもカレーとかラーメンだってもともとは他の国の料理を日本風にアレンジした結果、今や世界に誇る日本料理として有名になりました。ちなみに外国人に一番人気の和食はいまやラーメンだとか。そう、世界から見るとラーメンは和食なんですね。

ようはそれと同じことが、外国で、寿司でおきていると考えるといいでしょう。寿司という魅力的な料理を、その国の人達の口に合わせてアレンジした結果、広く受け入れられるようになったというわけです。拉麺がラーメンになったように、寿司もSUSHIになっている、と。

じゃあそれに対して日本の寿司は何もしなくていいのか。クールジャパンで和食を世界にといっているが、外国のSUSHIの流れは無視してもいいのか。このテーマに真っ向から挑んだのが、この「将太の寿司2 World Stage」です。

このテーマを扱うに当たって、将太の寿司2ほどふさわしい作品はないでしょう。なぜなら「将太の寿司」は、一人の少年寿司職人がさまざまな人の協力で成長し、一人前の寿司職人になるという、正統派な寿司の世界を描ききっているからです。軸足に正統派寿司職人の世界があってこそ、対比する世界のSUSHIとの差が浮き彫りになるのです。また、何かあったときに寿司の原点に戻れるというのも大きいですね。

二人の将太による、ダブル主人公もそれを狙っていたのでしょう。海外で日本の寿司を広めるにはというテーマを持った佐治将太。日本で老舗の寿司屋にいながら海外のSUSHIに対抗するにはどうしたらというテーマを持った関口将太朗。それぞれがこの難題に挑んでいるのです。

ちなみにおもしろ画像部分も語られがちではありますが、将太の寿司は非常に緻密な取材に基づいていたりします。マグロを針麻酔する瞬殺鮪や、マグロの腰だって実在の技です。もちろん漫画としてのアレンジはありますが。こういった説得力のある世界をすでに持っている将太の寿司の続編だからこそ、世界のSUSHIを扱うのにふさわしかったと思うのです。

将太の寿司2で登場したテーマについて箇条書きをしてみましょう。

・外国人には何故日本の寿司が苦手という人がいるのか
・外国人の味わい方と日本人の味わい方は違うのではないか
・外国で本物の寿司に必要な鮮度のいい魚は手に入るのか
・日本の寿司屋はお客様に甘えているのではないか
・果たして寿司に醤油やワサビは必須なのか

これらのことを真剣に考え、答えを出しているというのが将太の寿司2なのです。かえすがえすも、もっと長く続いて欲しかった。

二人の将太のうち、特に佐治将太の方が破天荒な性格をしているので、将太の寿司のような正統派寿司職人ドラマの続編を期待していると、求めていたものと違うと思うのも事実です。でも、食文化に興味を持っている人ならきっと楽しめるはず。特にこれらのテーマが明確に動き出す2巻は圧巻です。

最終巻である4巻はある意味お祭りでした。大年次三郎太だけではなく、将太のライバルだった奥万倉、清水、木下、紺屋のそれぞれ息子達も登場して戦うし、最終回ではミスター味っ子2の陽一&陽太&アンヌ、喰いタンの高野&出水、修理もん研究室から七尾&高岡がカメオ出演していたりもします。

あれです。6月25日まではKindleで1巻が99円ですし、4巻で完結ですし、この機会に買っちゃうといいんじゃないかと思いますよ!

2015年6月23日発売

将太の寿司2 World Stage(4)<完> (イブニングKC)

将太の寿司2 World Stage(4)<完> (イブニングKC)